アップフロンティアの R&D 統合新カテゴリー「超技研」のxR分科会活動から生まれた、受付システム「超受付さん」。

訪問先の人を呼び出すために、いつも同じ手順を踏まなければいけない今までの受付システムとは違って、初回の受付登録さえしてしまえば、次回の受付では「顔パス」を実現できます。

縦⻑ディスプレイ+PC・カメラ・マイク。

組み合わせや見た目は地味かもしれませんが、そこには開発メンバーの英知が詰まった、技術のインテグレーションとなっています。

今回は、本業の合間を見ながら⻑い⻑い時間をかけて生まれたこのシステム開発の裏側をお届けします。

第1回 「超受付さん」のキャラはどうしてる?

出演
ギャップロ編集部: G
「超受付さん」開発チームリーダー: N

CGは社⻑?

ギャップロ編集部 G(以下 G): まず、「超受付さん」で目に付くのは当然受付のキャラクターだと思いますが、ウチの会社って3Dモデル制作はやってないですよね。いい感じの二次元のキャラクターが受付になってますが、ここに来るまでにはどういった経緯があったんですか?

「超受付さん」開発チームリーダー N(以下 N): そうですね、選択肢としては「外注で作るのか」、「すでに出来上がっているものを使うか」になるんですが、最初はなるべく自分たちで何とかしようとしてました。たまたまiPadに専用のカメラを付けて手軽にキャプチャーできるものを知ってたので、それ買って作ってみようって話になったんです。で、いざ入手して誰を作る?って話になった時に、看板は社⻑でしょ、ウチの社⻑でしょ、と。(笑)

ipad

G : なるほど。多数決に近い感じでしょうか?

N : そうですね、本人は嫌がってましたけど(笑)

G : 少し抵抗はありそうですね(笑)

N : ですね。(笑) で、実際に社⻑を撮影して3Dにして、部下の知り合いの3Dモデラ―さんにキャラクターの作成をしてもらったんです。

G : そこは外注で作ったんですね。

N : そうですね。で、やってみたところ、どうもうちの社⻑の髪の毛がヘルメットのようになってしまって。

G : ああ、3DCGによくある、ペッタリした感じの。

N : で、どうしようかとUnityのアセットを探してたら、実際に植毛するかの様な体で髪の毛を再現するというのがあって。

G : え、そんなツールがあったんですか?

N : あったんです!それを使って実際5万本を植毛して。

G : ふさふさに?

N : ふさふさに。(笑) 後は、目の瞳を環境光反射するようにしたりとあれこれチューニングを頑張って、何とか実写系のキャラクターによくある“不気味の谷”は超えられました。ただ、評判は決して悪くはないんですが、いい評判も今ひとつ聞こえてこなくて。(笑) まあ、社⻑が悪いわけではないんですけど。

president

G : そりゃそうですよね。(笑)

VRM 形式の親和性

N : そんなところにちょうど、一般人が作ったキャラクターをアップロードして公開できる「VRoid Hub」というサービスをpixivさんが始めてて。

G : あー。その筋ではすっかり有名なアレですね。

N : ですね。ドワンゴさんの3Dモデルの形式でVRМと言われる形式があるんですけど、そのVRM形式でダウンロードできるんですよ。

G : なるほど。

N : 商用利用OKとか、ライセンス表記の決まりとか、しっかりとしたガイドラインの元で公開されてるので、使えそうなキャラクターをダウンロードしてみました。

G : つまり都合のいい条件に合ったキャラクターが見つけられれば、無償で使えると?

N : そうですね。

G : あぁ、それはいいですね。

N : VRM形式はUnityと親和性が高いので、簡単に取り込めたのはとてもよかったですね。モーションなんかも、やっぱり男性よりも女性のモーションの方がアセットストアにたくさん置かれてたりしますし、音声もやはり女性の声の方が使いやすいものがそろってますので結果オーライでしたね。あらゆる面で選択肢が多かったです。

woman

G : ちなみに、VRoid自体は後からモーションを付けたいとか、そういったことに対応するのに都合が良かったりするんですか?

N : そうですね、これはVRoidに限らず、もともとUnityがモーションの差替えをしやすいというのがあるのと、アプリをビルドする必要なく外部からモーションの差し替えがしやすいような仕組みを僕たち自身でも作っていたりします。 お客さまへの対応もしやすくなってると思いますね。

開発中のアプリでできること

G : なるほど。キャラクターの制御でもこれまでいろいろ苦労をされてきたんですね。今開発中のアプリでは、さらにどういった事ができるようになるのですか?

N : そうですね。例えば、ドコモさんのAPI(ドコモAIエージェントAPI®)を使っているのですが、音声のパターンが非常に豊富で30種類くらいあるんです。それを使って声色も自由に変えられます。他にも、キャラクターの背景もCMS上で設定した背景をダウンロードして差し替えることができます。

G : 背景はさすがに一枚絵のような感じですか?

N : 一枚絵でもいいですし、3Dモデルでも大丈夫です。これからリリース予定のGatebox版も背景を変えられるんですけど、こちらは筐体(きょうたい)の特性上、背景はあまり出さない方がいいのかなぁと思います。

G : 特性を生かそうとすると、背景をつけるよりも単体で出した方か魅力的に見えるということですか?

N : はい。そうですね。それでも(背景を)出したいというお客さまもいるでしょうし、場合によっては、Gateboxで何かしら背景を出した方が効果的な場合もあるかもしれないので、PC版・Gatebox版問わず、背景の差替えはできるようにする予定です。

G : ちょっとしたカスタマイズには対応できそうですね。

次回

第2回「音声UI、どうしてる?」へ続く

関連リンク

超受付さん: https://chouketsuke.upft.jp/
Vroid Hub: https://hub.vroid.com/
VRM: https://vrm.dev/