Android 4.4 Kitkat

 11月1日に、Google から android 4.4 搭載の Nexus 5 が発売されました。

Nexus 5

 Android の OS には バージョンごとに、コードネームとしてアルファベット順でお菓子の名前がつくのが通例になっています。もちろん今回もその例にもれずにお菓子の名前が付きました。当初、コードネームは「Key Lime Pie」になると言われていました。しかし、その予想に反して「Kitkat」になりました。 Android OS のコードネームに商標が使用されるのは今回が初めてになります。

Kitkat

 ちなみにこの「Key Lime Pie」は、フロリダ州で取れる キーライムというライムの果汁をパイ生地に混ぜて作成するパイだそうです。これはフロリダ州の公式な州のパイになっているそうです。 結局のところ没になってしまったこの 「key Lime Pie」 ですが、Android OS にあるイースターエッグの画面の中に出てくる画像にひっそりと紛れているという噂なのでぜひ探してみてください。

 Kitkat は実に二年ぶりに出た Android OS の新バージョンになります。一体、今回の OS アップデートでは何が新しく追加されているのでしょうか?  


新機能紹介

 Android 4.4 に関する公式な情報は以下になります。

 Android – 4.4 KitKat

 Android KitKat | Android Developers

 今回のアップデートで、様々な機能が追加・変更されています。この記事ではその新しい機能などについて、ジャンルごとに分けてまとめていきたいと思います。

 それでは早速見て行きましょう。    


UI関係の変更点

 スマートフォンといえばUI!と言えるくらいに、見た目の変更が一番わかり易く、そして重要な変更だと思います。なので、最初は見た目に関する項目についてまとめていきたいと思います。

システムバーを透明に出来る

 システムバーを透明にし、背景を透過することが出来るようになりました。
 これにより、画面が一回り広く見えるようになったと感じるのでは無いでしょうか!

システムカラーが青から灰色に

 ステータスバーに表示される電池やwifiのアイコンなどの色が灰色になりました。
 従来は、ステータスバー上に表示されていたアイコンなどの色が青色になっていたため、全体のデザインを邪魔してしまうことがありました。これが今回から無彩色になったので、そのような心配をする必要がなくなりました。

 ちなみに、UIに配置してあるボタンをタップした時のハイライトも、10%程度明暗が変化するといったようなさりげない感じに変更されています。

ホーム画面のアイコンが大きくなった

 ホーム画面に表示されるアイコンが25%拡大されて表示されるようになりました。
 つまり今までフルHDの端末でもアイコンの画像サイズは 144×144 だったところが、細部まで表示させるには 192×192 のサイズのアイコンを用意する必要ができてしまいました。

 Android も 4Kディスプレイへの対応のため、xxxhdpi という解像度を使用する事になってしまいました。

アプリの全画面表示が可能

 今までもフルスクリーンモードは利用できていましたが、その設定で消すことができたのは、画面上部のステータスバーのみでした。しかし、今回追加された、フルスクリーンの「immersive mode」では、システムUI部品を全て非表示にすることができます。

全画面表示

 これにより、写真や、ビデオ、地図、書籍、etc… と豊富なメディアコンテンツをより見やすい形で提供することが出来るようになります。

 「immersive mode」の immersive とは 没入感を表す用語で、画面により”没入”出来るようにということからこの名前になっていると思われます。
 「immersive mode」を解除するには、「システムバーが表示されるべき領域から内側に向かってフリック」をします。つまり画面の下部から上に向かってフリックすることでシステムバーを表示させることが可能です。  

ロック画面ウィジェットの有効/無効の切り替えが可能

 Android 4.2 から、ロック画面にアプリのウィジェットを置くことが出来るようになりました。これは、端末の画面をつけた時いちいちロックをはずさなくてもその置いたウィジェットを通して情報を確認することが出来る便利な機能です。その機能の有効・無効を端末の「設定」で切り替えられるようになりました。

 ちなみに 4.4 からデフォルトでは無効になっているため、ロック画面にウィジェットを表示させるためには端末の「設定」から「セキュリティ」の項目にある「ウィジェットの有効化」にチェックを入れる必要が有ります。

システム全体における字幕設定

 Android 4.4 では、システム全体に渡る字幕の設定を行えるようになりました。ユーザは字幕の表示、字幕に使用する言語、文字サイズ、字幕スタイルなどの設定を行うことができます。字幕をつけることでユーザ体験をサポートします。

 ビデオを使用するアプリでは、ユーザの字幕設定にアクセスし、そのユーザが好む表示を行うことができます。

 また、VideoView を使用するアプリは、新しいAPIを使用することでビデオストリームに見出しをつけることもできます。システムは、字幕の設定に応じてビデオフレーム上に自動的に字幕を表示します。


Audio ・ メディア 関係の変更点

 次に、オーディオ機器やメディア機能関係の変更点についてまとめていきます。音楽、動画、写真などはスマートフォンには欠かせないコンテンツです。

オーディオモニタリングAPIを追加

 オーディオのピークやRMSレベルを監視するツールを使用することが出来るようになりました。
 ミュージックビジュアライザでこの値を使用して独創的なエフェクトを表示させることや、ピークと RMS レベルを使用して、イコライザを作成することができます。

LoudnessEnhancer(ラウドネスエンハンサー)

 LoudnessEnhancer とは元々オーディオコンポなどに付いている機能で、曲の中の小さい周波数や大きい周波数になっている、聞こえづらい音を、聴きやすい周波数に調整することで、色んな音が聞こえやすくなるという物です。色んな音が聞こえるようになれば、音に厚みが出たように感じるのもわかるのでは無いでしょうか。
 この機能を使用すると安いヘッドフォンやスピーカーを使用していても、小さくて聞こえない音や大きくて割れている音も聴きやすい音に調整してくれるため、まるで高いヘッドフォンやスピーカーを手に入れた気分になれるそうです。

 ラウドネスエンハンサーなんだかすごそうですね!
 ぜひ体感してみたいです。

動画再生時のシームレスな解像度切替

 動画の再生中、最適な解像度にシームレスに切り替わるようになりました。

 これは動画の再生中に、継ぎ目なく解像度を変更することが出来るオプション機能になっています。これによりクライアントは適切な解像度の動画を視聴することが出来るようになります。

 これはストリーミングビデオのユーザ体験を劇的に改善してくれます。

HDR+ モードでの写真撮影

 HDR + モードでは、素早く複数枚のバースト写真を撮影し、それを合成して適切な単一の画像を作成します。これにより、昼はより影のはっきりした写真に、夜はノイズの少ないシャープな写真をそれぞれ撮影することができます。

 この撮影方法は、Android のソースコードにバーストモード撮影機能というものを追加したことにより実現されています。現在この機能は API としては公開されていませんが、今後のリリースで公開される予定になっているようです。

 この API が公開されることで、バーストモードを使用した HDR 撮影モードを使用することができるようになります。そうすれば、自作のカメラアプリでもよりきれいな写真が撮影できるようになるでしょう。


メモリ ・ 電力 関連の変更

 ここまで見た目に関係するものについて確認したわけですが、このように様々な変更点があるとバッテリーの消耗や、パフォーマンスの低下が無いか気になりますよね。
 そこで、ここではメモリや電力に関する情報についてまとめたいと思います。

推奨動作メモリが 1GB から 512MB に

 推奨の動作メモリを512MBにすることによって、より多くの端末で快適に動作するようになりました。

 つまり、「性能の控えめなエントリーモデルであっても Android 4.4 を搭載できる」ということになります。

 これにより、メモリ容量の関係から 2系の OS を入れるしか無かったメーカーも 4系の OS を搭載することが可能になるため、2系の OS が減ることになるのでは無いかと考えることもできます。

電力消費を抑えたハードウェアセンサー

 Android 4.4 では、使用中のセンサーの消費電力を劇的に減少させる、hardware sensor batching という機構が導入されました。
 さらに、端末がスリープ状態の時にもこの処理は継続しデータを取得することができるため、位置情報を取得すると言った、低消費電力・長時間利用というユースケースに最適です。

 Sensor batching は、アプリ側で個別にセンサーイベントを監視するのではなく、OS側がまとめて監視した上で、必要に応じたタイミングで提供します。これにより、センサーイベントがOS側から配信されるまではアプリケーションプロセスを、アイドル状態に留めることができるので電池の消費効率が良くなります。

 また、センサの情報はイベントリスナを設定することで任意の種類のセンサーイベントを要求することができ、そのイベントを受信する間隔を制御することもできます。

Audio Tunneling to DSP

 オーディオ再生時の音声処理に関して、ハード搭載のDSP(Digital Signal Processor)を経由する事により、ソフトウェア(CPU)での処理を減らすことができます。これにより消費電力を抑えることができるようになりました。

 現在この機能に対応しているのは Android 4.4 を搭載した Nexus 5 のみですが、最大60時間連続で音楽を聞くことができるそうです。

Location 検出モードの設定

 Location を検出するモードを、端末の「設定」から 「位置情報」の中にある「位置情報モード」より、「高精度モード」や「バッテリー節約モード」などを選べるようになりました。

 この設定を行うことで、これまで電力の消費を防ぐために自分で GPS や wifi の設定を変更していた手間がなくなります。

マルチタスクの高速化

 メモリ利用の最適化と、タッチスクリーンの応答性の向上により、マルチタスクが高速化されました。

 そのシステムパフォーマンスは「Android 史上最高」だそうです。これにより、マルチタスク時にも滑らかに動作します。


電話 ・ メール 関係の変更点

 後回しになってしまいましたが、Android 端末も一応電話機ですので、電話やメールと言った機能は欠かせません。これについても様々な変更があります。

電話をかけたい人を優先的に表示する

 平均通話時間や通話頻度を参考にして、並び替えてくれる機能が追加されました。

 また、連絡先を検索する際に対称となるのは、端末の連絡先の他、近所の店舗やサービス、独自のコンタクトリストを持つアプリ、Google Apps ドメインなどになります。

Caller ID by Google

 連絡先に登録していない相手からの電話に関して検索をかけて表示する機能です。
 これを使用すると、発信者のGoogle アカウントからプロフィール写真と名前を表示してくれるようです。

 この機能ですが、Google アカウントのプロフィール等が通話相手に見られて困ることもあるかもしれません。しかし、アカウントの方で設定を行っている場合のみ、表示されるものになっていますので安心してください。ちなみに、この機能はまだ実装されておらず、2014年からの導入予定になっています。

 この他にも、Google Places に登録済みの店舗やサービス、企業などの写真と名前を取得したり、Google Apps を利用している場合には同じドメインに登録している相手の名前と写真を表示してくれる機能も有ります。

Google Hangouts の強化

 Google Hangout の中で、チャットとSMS/MMS 全てをサポートするように更新されました。

 それに加えて、Hangout で現在位置の共有や、GIF アニメーションの送信が出来る用になりました。

絵文字を使用可能

 Google キーボードで絵文字が入力出来るようになりました。これでチャットやメールに送信する文章を華やかにすることができますね。

 ちなみに、公式でも絵文字のことを “Emoji”と呼ぶようです。

絵文字入力

メールアプリの再設計

 メールアプリが再設計され、ネストされたフォルダの表示や、連絡先の写真を表示することが出来る等、より良いナビゲーションと新鮮な外観になっているようです。

 具体的には、Gmail の最新版のように左側から表示されるスライド型のメニューバーなどが追加されています。更に、各種操作ボタンが上部のアクションバーに移動する等、いろいろな部分が更新されました。  

デフォルトの SMS アプリを OS レベルで設定

 デフォルト SMS アプリを設定から変更することが可能になりました。これにより、デフォルト SMS アプリとして設定した物以外は、SMS メッセージの送信ができなくなり、バックアップアプリの利用方法も変わることになります。

 これに伴い、SMS を使用するために使用していた Google による隠された API は、削除もしくは変更されるため非推奨になるようです。その代わり Kitkat では、SMS アプリの構築をサポートする API セットを提供するようです。


各種ユーティリティの変更点

 スマートフォンをより使いやすくするツールや、開発者向けの便利機能も色々と拡張されています。それについても、ここでまとめていきましょう。

ホームアプリが変更

 ホームアプリが従来の物から google Experience という物に変更されました。見た目やウィジェットの作り方などが変更されているようです。

OK Google が追加された

 ホーム画面もしくはGoogle Nowを起動中に “OK Google” と発言することで、音声検索機能を立ち上げる ことが出来るようになりました。

 これにより、タップして音声検索機能を起動する必要がなくなりますのでユーザビリティが向上するでしょう。

OK Google


終わりに

 さて、今回の特集はいかがだったでしょうか。この記事を見ていただければ、Android 4.4 へのバージョンアップでいろいろなものが追加されているということがわかっていただけると思います。

 しかし、まだまだこれだけでは終わりません。Android 4.4 ではこの他にもまだ新しく追加された機能があるのです。よって次回は残りの機能の紹介を行おうと思います。

 次回もお楽しみに!!